
ブログ
シロアリの天敵は誰?天敵を使ったシロアリ対策の有効性について
- シロアリ駆除の豆知識
- 2020.01.30
「シロアリが苦手としている生き物って何だろう?」
「天敵がいれば、家がシロアリに食べられるのを防げるのでは?」
世界中では、害虫や害獣をそれらの「天敵」を飼育するなどして対処するという話がよくあります。
基本的に天敵は対象を捕食するため、天敵に食べさせることでシロアリ対策が手軽にできるのではないかと考えるのは自然なことです。
この記事では、シロアリの生態に詳しい元駆除業者が、シロアリの天敵とそれを利用したシロアリ対策の有効性について解説したいと思います。
シロアリの被害に悩んでいる人、これからシロアリ対策を考えている人は参考にしてください。
目次
シロアリの天敵たち
自然界には、シロアリの天敵となる生き物が数多く存在します。
- ・黒アリ
- ・クモ
- ・カエル
- ・ツバメ
- ・ヘビ
- ・トカゲ
- ・ツチブタ
- ・モグラ
- ・アリクイ
上記で挙げた生き物は代表的なものであり、他にも肉食・雑食の昆虫や鳥類など、シロアリの天敵を挙げるとキリがありません。
それほど、シロアリは自然界において食物連鎖の低位に位置する弱い生き物なのです。
黒アリもシロアリの天敵!
意外に思われる人も多いのですが、シロアリの天敵の代表的な生き物は、実は「黒アリ」なのです。
「アリがアリを食べるって、『共食い』じゃないの!?」と思われるかもしれませんが、実は黒アリがシロアリを食べる行為は共食いとは言い難いのです。
その理由は、シロアリと黒アリの生物学上の分類にあります。
- ・シロアリ:ゴキブリの仲間
- ・黒アリ:ハチ(蜂)の仲間
シロアリと黒アリは、共通点も少なくありませんが、実は全く異なる生き物なのです。
シロアリは植物を食べるので黒アリを襲うことはありませんが、雑食の黒アリはシロアリを捕食します。
シロアリは多くの生き物にとって魅力的な生き物
シロアリの天敵がこれだけ多く存在するのは、シロアリが多くの生き物にとって魅力的な存在であることが理由です。
- ・シロアリは貴重なタンパク源
- ・シロアリは単体では非常に弱い
- ・シロアリは柔らかくて食べやすい
- ・羽アリは一斉に移動するので捕食しやすい
天敵を使ったシロアリ対策の有効性
結論から述べると、天敵を利用したシロアリ対策は奏功しないケースがほとんどです。
天敵生物の行動と影響
例えば、自宅にシロアリの天敵である「黒アリ」を放つとしましょう。
縦横無尽に行動する黒アリたちは、住宅内のシロアリを食べ始めるかもしれません。
ですが、黒アリによって自宅内の食べ物が荒らされたり、住人が噛まれてしまうリスクが発生します。
また、一部のケースではシロアリと黒アリが共存する可能性があるという話もあります。
本能で行動するシロアリの天敵たちを、人間の思うようにコントロールすることは簡単なことではないのです。
天敵たちの存在が住人や建物に何らかの悪影響を及ぼす可能性があることを考えれば、むしろマイナスの結果になる可能性が高いのです。
シロアリの生態と繁殖力の高さ
シロアリは、ほとんどの天敵生物の目に触れない場所に生息しています。
種類によって細かな行動パターンは異なりますが、地中または食害した木材の中に巣を作るため、ほとんどの天敵に接触することなく生き延びています。
加えてシロアリは1日に数千~1万個の卵を産むことができるため、仮に食べられたとしても次から次に子供が生まれるのでコロニーの個体数を維持することは難しくないのです。
そもそも天敵だらけのシロアリ、日本にも数多くの天敵がいながらいまだにシロアリ被害が根絶していないことを考えれば、いかに天敵の存在がシロアリの生態に大きな影響を与えていないかがわかります。
シロアリ被害に悩んでいるのであれば業者に相談を!
天敵の存在をシロアリ対策に利用したいと考えるくらいであれば、確実性を考慮すれば「駆除業者に相談する」のが一番です。
駆除業者はシロアリに詳しい
悪質業者を除けば、基本的にシロアリ駆除業者は「シロアリ駆除のプロ」であり、必要な知識や道具をしっかりと準備しています。
- ・シロアリの習性に詳しい
- ・シロアリ駆除の高い技術を持っている
- ・シロアリ駆除のための専門的な道具を揃えている
シロアリ駆除は素人には簡単なことではなく、道具を揃えるのにも費用がかかってしまいます。
駆除業者はシロアリの習性や駆除作業に詳しく、特に老舗の業者であれば豊富なノウハウと高い技術を有しているので安心して任せることができます。
駆除業者は施工場所に応じた方法を選択してくれる
シロアリ駆除には、いくつかの方法が選択できますが、施工する状況・条件によって適切な手段や使用するのに適した薬剤・道具は異なります。
駆除業者は数多くの施工例を持っており、蓄積したノウハウにより施工現場の条件などに合致した最適な手段を選択してくれます。
駆除業者の中には無料で調査してくれるところも多い
駆除業者は、本格的な駆除作業の前に必ずシロアリ被害の状況を調査してくれます(しない場合は悪質業者である可能性が高い)。
もし、シロアリの存在が確認されなければそれで問題ないわけで、しかしながらお金がかかるのであれば調査してもらうのもしり込みしてしまうのではないでしょうか?
駆除業者の中には、被害調査だけであれば無料で請け負ってくれるところも多いので、無料調査をPRしている業者を探して調査を依頼、必要に応じて駆除してもらうと良いでしょう。
シロアリが天敵であるものは?
逆に、「シロアリが天敵」であるものも存在しています。
木造家屋は格好のターゲット
良く知られていることではありますが、シロアリが天敵である存在の代名詞は「木造家屋」です。
シロアリの主食はセルロース(木材に含まれるタンパク質)であり、建物に使用されている木材も当然ながらシロアリの食害対象となります。
シロアリは基本的に木材の内部を食べるため、外見は大きな変化が見られなくても中身はスカスカになっているケースも多いです。
シロアリによって食べられてしまった建材はその耐久性を大きく下げてしまい、例えば「地震発生時の倒壊リスク」を上げる原因となります。
また、建物自体ではなく「建物の周囲にある物」も、シロアリの食害対象になる可能性があります。
- ・木材
- ・木製の製品
- ・段ボール
- ・雑誌や新聞紙
基本は「枯れ木」などを食べて生きている
自然界においては「森の分解者」とも呼ばれるシロアリ、実は森林部を中心とした生態系における重要な役割を担っています。
枯れた木は倒れてしまい、多くの生き物にとって邪魔な存在となります。
しかしシロアリは枯死した植物が主食であるため、枯れ木を食べて分解し、自然に還すことができる存在なのです。
また、木を食べることができない生き物も、木を食べて生きているシロアリを食べることで命をつなぐことができます。
日本においても20種類弱のシロアリが生息していますが、そのうち害虫として扱われているのは4~5種類程度であり、多くの種類は森林部でその役割を果たしています。
生きている植物も食べられる可能性がある
さて、建物や木製製品を食べないのであれば良いと考える人もいるかもしれませんが、実は枯れていない植物でもシロアリに食べられてしまう可能性があるのです。
- ・「マツ」や「モミ」といった比較的柔らかい木
- ・木目の荒い木
- ・古くなったり傷んでいる木
立っている木がシロアリによって食べられてしまうと、中が空洞になってしまい、台風などの時に倒れてしまうリスクが高まります。
もし、庭の木がシロアリに食べられていると思ったら業者に調査を依頼し、必要に応じて伐採などの処置を施しましょう。
まとめ
シロアリの天敵は数多く存在しますが、現実問題としてシロアリの天敵をシロアリ対策に利用することは極めて難しいと言わざるを得ません。
とはいえ、建物に被害をもたらす可能性が高いシロアリの存在を無視することはできませんので、何らかの対策が必要なことには変わりないのです。
確実にシロアリ被害を食い止めるためには、シロアリ駆除の専門家である駆除業者に調査・駆除を依頼することをおすすめします。