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シロアリの女王を捕まえればシロアリ被害は抑えられるのか?
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.09.27
シロアリはコロニーを形成し、建物に甚大な被害をもたらすため放置することはできません。
シロアリには「女王アリ」が存在し、そのコロニーの繁殖を担っているわけですから、これを何とかできればシロアリの繁殖を抑えられると考える人は少なくありません。
そこで、シロアリの女王の生態や役割について解説します。
目次
シロアリの女王について
まずは、シロアリの「女王」に関する基本的なことについて解説します。
シロアリの女王の特徴
シロアリの女王はコロニーにおいて繁殖の役割を担っているシロアリで、女王とは言いますが実は1つのコロニーに複数の女王アリが存在しています。
他のシロアリと比較すると体長に大きな違いがあります。
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
女王アリ | 大きいものだと15mm | 大きいものだと40mm |
その他のシロアリ | 4~6mm | 5~9mm |
同じ種類の他のシロアリと比較して、何倍もの体長を持っているのです。
そのため、仮にシロアリの巣を観察することができれば、一目でシロアリの女王を見つけることができるでしょう。
シロアリの女王の役割
前述のとおり、シロアリの女王の役割は「繁殖」です。
しかも女王アリは毎日のように産卵するため、シロアリの繁殖力とコロニーの規模は極めて大きなものであるといえます。
加えて、前述のとおりシロアリの女王はコロニー内に複数存在しているため、1匹あたり1日20個以上の卵を産むので女王の数だけ数多くの卵が毎日のように産まれているのです。
シロアリは種類にもよりますが、数万~100万程度の規模でコロニーを形成しているため、それだけの数のシロアリによる食害を受ければ建物に甚大な被害が及ぶことはいうまでもありません。
女王アリの最期と副女王アリの存在
さて、女王アリがコロニーにおける繁殖を担っているとなれば、仮に女王アリを捕獲することができればそのコロニーはそれ以上規模を大きくできないと考えるのが普通です。
しかし、シロアリの女王にはちょっとした悲しい「最期」が待っており、そこには女王アリを捕獲してもあまり意味を為さない理由があります。
女王アリの最期
女王アリは10年~何十年という寿命を持っていますが、半永久的に繁殖し続けられるわけではありません。
・普通のシロアリの寿命:数年
いつかは生殖機能が衰えてしまうわけですが、ということはつまり「女王アリとしての役目を果たせなくなる」ということでもあります。
そんな女王アリは女王の座を降りることになり、その後は余生を満喫するのかといえば、そうでもないのです。
女王ではなくなった女王アリは、子どもたちの栄養になる、つまり「食べられてしまう」のです。
女王の最期としては、なんとも悲しい結末ですね…
副女王アリが次の女王アリに
さて、女王アリが生殖機能を衰えさせてしまったら、次の女王アリが生まれることになります。
実はシロアリのコロニーには「副女王アリ」が存在しており、その1匹が次の女王アリとして君臨するのです。
・副女王アリ、副王アリ:次代の女王と王になる
・羽アリ:生食虫、群飛して新たな女王と王になる
・ニンフ:卵と幼虫の世話係、最終的に羽アリか副女王、副王になる
・兵アリ:コロニーの防衛
・働きアリ:エサの調達や巣の構築など、労働全般
女王アリ1匹捕まえればそれで終わりではない!
要するに、現在の女王アリを1匹捕まえたとしても、すぐに次代の女王アリが繁殖を担うことができる仕組みになっているため、いくら女王アリに対処しようとしてもそれだけでコロニーの繁殖を防ぐことはできないのです。
もし、シロアリの存在を確認したら、女王アリはもちろん、コロニーごと何とかしなければ被害を防ぐことはできないのです。
シロアリの被害をなくすためには?
女王アリの存在に注目してもシロアリ被害を完全になくすことはできませんが、繁殖の役割を担っている女王アリの存在を無視できないことも事実です。
シロアリによる被害
シロアリ被害を放置すると以下のデメリットが待っています。
・建物の耐震性が低下する
・建物の資産価値が低下する
・修繕費用がかさむ
・周囲にも被害が拡大する可能性がある
・家具などにも被害が及ぶ
建物自体への被害と、それに伴う経済的な損失が大きな被害となります。
シロアリを自力で駆除できる?
シロアリを駆除するための道具は、ホームセンター等で簡単に入手することができます。
使用するにも特別な免許などを必要としませんが、自力で駆除しようとすると以下のデメリットが待っています。
・道具を揃えなければならない
・作業場所は床下などの狭い場所であり、危険が伴う
・薬剤の影響を考えなければならない
・完全に駆除できない可能性が高い
一番の問題は「完全に駆除できない可能性が高い」ことです。
シロアリはさまざまな場所に巣を形成することができ、前述のとおり床下がメインとなりますがそれ以外の場所にも巣を作ることができます。
・柱の中
・壁の中
・その他、湿った場所を中心に
専門的な道具・工具を揃えないと作業でない場所も多く、素人では完全駆除が難しいのです。
シロアリ駆除は業者に依頼しよう
シロアリの被害を放置することはできませんが、自力での駆除には限界があります。
女王アリを含む、すべてのシロアリをしっかりと駆除して被害の拡大を防ぐためには「シロアリ駆除業者に依頼する」ことが一番の方法です。
業者に依頼することには以下のメリットがあります。
・シロアリを発見するための道具を揃えている
・シロアリを駆除するための道具を揃えている
・作業の手間がかからない
・薬剤の危険性を熟知して作業してくれる
・専門家によるアドバイスを受けられる
・アフターフォローがしっかりしている
女王アリの捕まえ方
最後に、観察や研究などでシロアリの女王アリを捕まえたいという人のために、シロアリの女王の捕まえ方について解説します。
巣を掘り進む
女王アリはシロアリの巣の奥で産卵を継続しています。
シロアリの巣を発見できれば、それを掘り進むことで女王アリを見つけられるでしょう。
ただし、土中に巣を作っていない場合、例えば「柱の中」のように掘り進むことが困難な場所に巣を作っている場合だと、下手に刺激しても逃げられるだけです。
羽アリを捕獲する
シロアリが巣を作るのは、「羽アリ」として飛来した後になります。
つまり、女王アリになる前の羽アリの段階で捕獲するという方法があるのです。
シロアリの羽アリが飛来する時期は以下のとおりです。
・イエシロアリ:6~7月
うまく捕獲できれば、巣を作られる前に被害を食い止めることができます。
ただし、羽アリの飛来は数が多く、女王アリ候補を残らず捕まえるのはなかなか面倒です。
逃げないように注意する
女王アリを捕獲することに成功したら、逃げられないように注意してください。
自宅または近隣の女王アリが逃げ出せば、そこを中心にシロアリのコロニーが形成されてしまい、被害が発生してしまいます。
まとめ
シロアリの女王アリはコロニーにおける繁殖の中心でありながら、1匹捕まえただけでは被害拡大を食い止められない厄介な存在です。
シロアリによる被害は、放置すれば建物に甚大な被害をもたらす可能性が高いので、決して放置することはできません。
女王アリも含めてしっかりと駆除するためには、シロアリ駆除を請け負っている業者に依頼して駆除してもらうのがおすすめです。