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シロアリの幼虫ってどんな見た目?シロアリ幼虫の特徴と成虫との違い
- シロアリ駆除の豆知識
- 2020.01.30
「シロアリって、『幼虫』はどんな見た目をしているんだろう…」
「幼虫と成虫でどんな違いがあるの?」
昆虫の中には、「幼虫」と「成虫」で見た目に大きな違いがある種類があります。
もし、成虫と大きく見た目の異なる幼虫の場合、害虫の発見が遅れてしまう可能性もあります。
この記事では、シロアリ駆除に長く携わってきた経験から、シロアリの幼虫の特徴について解説したいと思います。
この記事を読めば、シロアリの幼虫がどんな見た目、どんな大きさをしているか理解できます。
目次
シロアリは「不完全変態」の昆虫
シロアリは「不完全変態」という生態を持つ種類の昆虫です。
不完全変態とは?
「不完全変態」とは、幼虫から成虫になるにあたって「蛹(さなぎ)」の過程を経ず、身体の構造に大きな変化が見られない昆虫の分類です。
簡単に言えば、幼虫の成虫で身体の形に大きな違いがなく、体の色や大きさのみが変化する種類の昆虫であるということになります。
シロアリは不完全変態に属する昆虫であり、不完全変態には他にも以下のような昆虫がいます。
- ・ゴキブリ(シロアリはゴキブリの仲間)
- ・バッタ
- ・トンボ
- ・セミ
- ・カメムシ
- ・カマキリ
- ・タガメ
- ・スズムシ
後述する「完全変態」との明確な違いは「蛹になるかどうか」であるため、不完全変態に分類される昆虫の中には「トンボ」や「セミ」のように幼虫と成虫で見た目に大きな違いが生じる種類もいます。
また、見た目の他にも「生活の場所」など、生態に大きく関わる特徴に変化が発生する種類もいます。
完全変態とは?
「完全変態」とは、幼虫から成虫になるにあたって「蛹」の家庭を経る昆虫の分類です。
蛹になると何も食べることができないどころか、動くこともできないので、基本的に無防備になります。
完全変態に分類される昆虫のほとんどは、幼虫と成虫で見た目に大きな違いがあります。
- ・ハチ(黒アリはハチの仲間)
- ・ハエ
- ・チョウ
- ・カブトムシ
- ・ガ
- ・テントウムシ
シロアリと黒梨乃幼虫の違い
前述の通り、ゴキブリの仲間であるシロアリと、ハチの仲間である黒アリは前者が不完全変態で後者が完全変態に分類されています。
シロアリの幼虫は成虫と同じような見た目をしており、頭部や脚が明確に判別できます。
一方で黒アリの幼虫は「蛆(うじ)」のような見た目をしており、数日で蛹になって成虫になることで皆さんが良く知るアリの見た目に成長します。
要するに、シロアリの幼虫と黒アリの幼虫を見間違えることはあり得ないということです。
シロアリの幼虫と成虫の違いは?
前述の通り不完全変態であるシロアリは、幼虫と成虫で完全変態ほど明確な形状の違いは存在しませんので、区別する方法となると「身体の大きさ」が最もわかりやすいでしょう。
シロアリの卵の大きさ
シロアリにも種類がありますので、種類によって異なりますが、シロアリの「卵」の大きさは0.5㎜程度しかありません。
もし、肉眼で確認したところで、シロアリの卵であると視認することは難しいでしょう。
シロアリの幼虫の大きさ
これも種類によって異なりますが、卵の大きさが1㎜に満たないシロアリの幼虫は、数㎜程度の大きさしかありません。
シロアリの成虫の大きさ
シロアリは脱皮を繰り返すことで成虫になりますが、成虫になっても5㎜前後、大きなものでも10㎜程度の大きさしかありません。
もちろん、同じ種類のシロアリの成虫と幼虫を並べてみれば大きさはわかるかもしれませんが、幼虫・成虫の唯一の判別方法ともいえる大きさの違いも、そこまで明確なものではありません。
シロアリの幼虫と成虫を見間違えているかも?
あまり意味のないことではありますが、ひょっとしたら「シロアリの幼虫かも?」と思っている個体が実は成虫であったり、「シロアリの成虫かも?」と思っている個体が実は幼虫であったというケースも十分に考えられます。
むしろ問題なのは「シロアリの存在が確認されていること」であり、シロアリの脅威と対処法については後ほど解説します。
幼虫でも成虫でも「シロアリがいる」ことが問題
シロアリの幼虫がいるということは、その周辺で女王アリが産卵して繁殖を繰り返しているということですが、仮にそれが幼虫であろうとも成虫であろうとも「シロアリが生息している」ということが最大の問題点です。
シロアリの特徴
まずは、そもそもシロアリがどんな特徴の昆虫であるかについて把握しておきましょう。
身体の色 | 白やベージュ、薄茶色など |
体長 | ヤマトシロアリ:3.5~6.0㎜ イエシロアリ:7.5~9.5㎜ アメリカカンザイシロアリ:8.0~11.0㎜ |
触角の形 | 数珠のような形 |
身体のくびれ | ほとんどない |
特徴の1つである「白っぽい見た目」は、一部の個体(羽アリと落翅虫)が黒っぽいので黒アリとの判別が難しくなるケースもありますが、「数珠のような形の触角」と「身体にくびれがない」という特徴は変わらないので、黒アリとの判別は十分に可能です。
上記のような特徴をもったアリがいれば、それはシロアリである可能性が高いです。
シロアリはどこにいる?
問題は「シロアリがどこにいるか?」ですが、基本的に「住宅の中や周辺」で目撃された場合には、その建物がシロアリの被害に遭っている可能性が疑われます。
- ・床下
- ・台所の壁
- ・トイレの壁
- ・洗面所の壁
- ・雨漏りしている屋根裏
ポイントは「湿気」と「木材がある場所」であり、もし建物に以下の変化が見られればシロアリの存在を疑わなければなりません。
- ・床がきしむようになった
- ・壁や恥らを叩くと空洞音がする
- ・「蟻道」がある
- ・シロアリの羽アリが建物やその周辺から一気に飛び立った
特に「シロアリの羽アリが一気に飛び立った」という場合には、その場所に「個体数が増え過ぎたシロアリの巣がある」ということであり、それが建物の内部や壁面からであれば良くない事態に陥っている可能性が疑われます。
シロアリの幼虫を見かけたらどうするべきか?
シロアリの幼虫、もちろん成虫や羽アリを見かけた場合も同じですが、被害が進行してしまう前に業者に調査を依頼しましょう。
駆除業者によるシロアリ調査
シロアリ駆除業者は「どこにシロアリがいる可能性が高いか?」を把握して調査を行ってくれます。
シロアリに詳しくない人ではわからないような場所でも、蓄積されたノウハウと専門的な道具を駆使することでしっかりとシロアリによる被害を調査してくれるでしょう。
お金をかけたくない…
「業者に依頼する」ということで「費用が発生するのは困る…」と考える人も多いでしょう。
実は、駆除の依頼ではなく、被害調査の依頼だけであれば無料で請け負ってくれる業者が多くなりました。
仮に、家がシロアリ被害に遭っていなくても、予防作業などを依頼しなければ調査費用はかからないという業者が多いのです。
多くの場合は業者のホームページに「無料調査」などの文言が記載されていますので、依頼する前に調べておきましょう。
必要に応じて駆除を依頼しよう
無料調査の結果、残念ながらシロアリ被害に見舞われていることが判明したら、早目に駆除を依頼することをおすすめします。
「調査だけ依頼して、駆除は自分でやる」となれば費用は抑えられますが、シロアリ駆除素人には簡単なことではないのです。
シロアリ駆除で重要なことの1つに「完全駆除」があり、表面的な駆除では繁殖力の高いシロアリの被害を食い止めることができません。
シロアリの生態や習性に詳しく、場数を踏んでいる経験豊富な駆除業者に依頼すれば、満足度の高い駆除作業をしてくれることでしょう。
まとめ
シロアリは不完全変態なので幼虫も成虫と似たような見た目をしており、成虫も体が小さいのでシロアリの幼虫であるかどうかを判断することは難しいです。
しかし、シロアリかどうかを判断することは比較的難しくないため、家の中や周辺にシロアリがいるとわかったら早めに対処することをおすすめします。
多くの業者は無料で調査を引き受けてくれますので、まずは無料調査でシロアリ被害の有無を確認し、必要に応じて駆除を依頼しましょう。