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シロアリ駆除の価格について知りたい!損しないための業者選びとは
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.09.30
シロアリ駆除を業者に依頼する場合、当然ですが料金を支払うことになります。
保険診療とは異なり、シロアリ駆除は依頼する業者ごとに価格設定が異なりますので、業者の選び方一つで損するか得するか大きく異なるのです。
そこで、シロアリ駆除の適正価格相場や料金が変動する要素など、シロアリ駆除を業者に依頼する際の費用について解説します。
目次
業者のシロアリ駆除の価格を比較
まず最初に、有名なシロアリ駆除業者7社のシロアリ駆除の価格設定について紹介します。
シロアリ110番 | 価格設定 | ・1,200円/㎡ ・66㎡以下の依頼:一律80,000円 |
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ダスキン | 価格設定 | ・バリア工法:2,430円/1階床面積1㎡ ・バリア工法(1階床面積50㎡・約15坪までの間):一律121,500円 ・ベイト工法(初回):4,017円/建物外周1m ・ベイト工法(2ヵ月目以降):129円/建物外周1m |
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サニックス | 価格設定 | ・5年以内利用歴なし+シロアリ発生なし:99,360円 (40㎡まで、超過部分1㎡あたり2,484円) ・5年以内利用歴なし+シロアリ発生あり:120,960円 (40㎡まで、超過部分1㎡あたり3,024円) ・利用歴あり+シロアリ発生なし(保証期間満了後6か月以内):64,800円 (40㎡まで、超過部分1㎡あたり1,620円) ・利用歴あり+シロアリ発生なし(保証期間満了後7か月~5年):86,400円 (40㎡まで、超過部分1㎡あたり2,160円) |
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三共消毒 | 価格設定 | HP記載なし(調査後の見積り) |
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雨宮 | 価格設定 | ・アメミヤ工法(化学薬剤):5,000円~9,000円/坪 ・アメミヤ工法(天然系薬剤):6,500円~10,000円/坪 ・ベイト工法(初期5年分):7,000円~/m ・ベイト工法(更新5年毎):4,500円~/m |
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アサンテ | 価格設定 | HP記載なし |
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ピコイ | 価格設定 | HP記載なし(調査後の見積り) |
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業者によって大きく分かれるポイントとして「HPに価格設定が表記されているかどうか」があります。
記載していない業者は依頼後に現地調査を行い、その上で費用の見積もりを行うとしています。
シロアリ駆除の価格が変動する要素について
シロアリ駆除にかかる費用が変動する要素としては、以下の内容が考えられます。
- ・駆除する範囲
- ・被害状況
- ・建物の構造
- ・工法の違い
- ・業者の規模
- ・地域差
駆除する範囲
費用を大きく左右する要因としては「駆除する範囲」が挙げられます。
多くの業者は「平方メートルあたり」または「坪あたり」で価格表示しています。
当然ながら、駆除する範囲が広くなればなるほど価格も大きくなりますので、建物や被害規模などによっては思った以上の費用が発生することもあります。
なお、「平方メートル」も「坪」も面積の単位ですが数値は異なり、1坪は約3.3平方メートルとなっています。
つまり、面積当たりの価格設定について比較する場合、平方メートルと坪では3倍ほど違いがあることについて把握しておく必要があります。
被害状況
「被害状況」も価格を左右する可能性があり、基本的にシロアリ被害が大きい現場であるほど費用も大きくなる可能性が高くなります。
シロアリ被害の大きな状況であるほどに施工側の作業内容も多くなりますし、場合によっては補強作業なども必要になるケースもあります。
少しでも費用を抑えてシロアリ駆除してもらおうと思うのであれば、シロアリの存在を察知した時点で早めに業者に依頼する必要があるということです。
建物の構造
作業する「建物の構造」が価格に影響する可能性があります。
- ・建物の基本構造(木造、鉄骨造など)
- ・床下への侵入経路
- ・床下の構造
- ・タイル張りであるかどうか
- ・基礎断熱の有無
基本的に、作業の手間や難易度が高くなる構造であるほどに、価格も高額になる傾向にあります。
この点は工夫のしようがないので、シロアリ駆除の価格について考慮する際には無視しても差し支えないでしょう。
工法の違い
「施工方法」の違いが、価格に反映するケースがあります。
利用する施工方法は業者によって種類が異なり、工法ごとに価格への影響だけでなく、シロアリ駆除の効果についても異なります。
業者の規模
「業者の規模」も、一概には言えませんが価格設定に影響している可能性があります。
一般的には以下のとおりです。
- ・規模の大きな業者:全国展開で、価格設定は高め
- ・中規模業者:ある程度のエリアに限定するが、価格は抑えめ
- ・小規模、地域密着型業者:エリアは限定的で、低価格路線
規模が小さくなるほど「価格の安さで大規模業者と競合する」という路線に傾きやすいため、利用できるエリアが数県のみに限定される代わりに低価格で駆除してくれる可能性が高くなります。
技術については業者ごとに異なるので、安いからと言って低品質な仕事しかしないというわけではありません。
地域差
シロアリ駆除を依頼するにあたって、価格には「地域差」が少なからず存在します。
例えば九州や四国地方の場合だと「イエシロアリ」という厄介なシロアリが生息しているため、価格設定が他のエリアよりも高く設定されている場合があります。
あとは東京や大阪などの都市部は1戸あたりの面積が小さめであり、固定的な費用の分だけ割高になるケースもあります。
シロアリ駆除は安いほど良いのか?
シロアリ駆除は重要なことですが、業者に依頼する際にかかる費用は少しでも節約したいと考えるのが普通です。
では、「設定価格の安い業者ほどお得なのか?」となると、一概にはそう言えない、むしろ「価格だけで業者を選定する」ことは非常に危険だといえます。
悪質業者にひっかかってしまう可能性がある
価格設定が安く、お得にシロアリ駆除をしてもらえそうな業者の中には、いわゆる「悪質業者」が混じっている可能性があります。
悪質業者がなぜ悪質なのか、その理由は以下のポイントにあります。
- ・HPなどで安い価格表示をしている
- ・施工後、追加料金などを請求される
- ・不要な施工内容で料金を高くしようとする
- ・技術力に乏しい(シロアリ被害を根絶できず、再発する)
- ・説明内容に虚偽の内容が含まれている
悪質業者は安い設定価格を武器に言葉巧みに契約を迫り、いざ施工したら高い料金を請求し、しかも十分な施工内容ではない可能性すらあるのです。
表示されている設定価格の安さやその他のお得さにひっかかり、悪質業者にひっかかってしまえば、一切得をすることなく大損してしまうでしょう。
悪質業者を回避するためのポイント
シロアリ被害が実際に発生しているのであれば、悪質業者を避けて優良で真っ当な業者に依頼しなければなりません。
悪質業者を回避するために押さえておくべき「悪質業者の特徴」のポイントは以下のとおりです。
- ・HPが無い
- ・訪問販売や電話勧誘してくる
- ・設定価格が異常に安い
- ・大幅な値引きを提案してくる
- ・無料キャンペーンをアピールしてくる
- ・とにかく点検しようとしてくる
- ・見積もりが不明瞭、または見積もりをしようとすらしない
- ・施工内容が不明瞭、または説明すらしようとしない
- ・やたらと不安を煽ってくる
- ・同業者(他の駆除業者)の悪口を言う
- ・過剰なサービスを提案してくる
- ・すぐに施工しようと契約を迫る
- ・「日本しろあり対策協会」の登録業者ではない
当てはまる項目数が多いほど、悪質業者である可能性が高くなります。
「価格の安さ」や「契約を迫る姿勢」などを中心に、シロアリ駆除を依頼する際には押さえるべきポイントをしっかりと押さえて業者の質を見極めてください。
必ずしも「安かろう、悪かろう」というわけではない
ただし、必ずしも「価格設定が安い業者=悪い業者」というわけではありません。
前述のとおり、地域密着型の小規模業者の場合、大手と競合するために設定価格を安くしている傾向にあります。
では、技術面で大手に劣るのかといえば、必ずしもそうというわけではありません。
地域の中小業者の中には、大手と比較して遜色ない、むしろ大手に勝る技術力を有している業者がいることも確かです。
安くても技術力のある、優良な業者を探す手掛かりは以下のポイントです。
- ・口コミ(鵜呑みにしない)
- ・施工実績件数
- ・資格や業者認定の有無
- ・創業年数
- ・見積もりの内容
- ・保証期間の長さと内容
例えば「創業年数が古い業者」は、それだけ長く事業が継続しているということなので、信頼されている業者であると推測できます。
「見積もりの内容」がしっかりとしていれば、安心して施工を任せることができます。
「保証期間が長い」「保証内容がしっかりしている」ということは、それだけ技術力に自信がある証拠です。
これらの条件が優良であれば、価格が安くても優秀な業者である可能性が高くなります。
シロアリ駆除費用を節約するために自力で駆除するのは正しいのか?
シロアリ駆除業者に依頼するにあたって、費用が発生することは当然です。
では、費用を節約するために「業者に依頼せず、自力でシロアリを駆除する」のは正しい方法なのでしょうか?
シロアリ駆除業者の費用の内訳
一般的に、シロアリ駆除を業者に依頼する場合、支払う費用に含まれているのは以下の要素です。
- ・人件費
- ・交通費
- ・調査費
- ・材料費
- ・作業費
実際に見積書にはもっと細かく記載されていますが、大まかに分類すると上記の内容になります。
「人件費」「交通費」「調査費」「作業費」は、人が仕事をするうえで行う行動に対して支払われる対価です。
つまり、自力でシロアリ駆除する場合、かかる費用は基本的に「材料費(薬剤や道具の調達費用)」だけになるというわけです。
本当に節約になるのか?
仮に、業者に依頼する場合と同程度の品質の作業をこなせるのであれば、材料費などの駆除作業に必要な薬剤や道具の調達費用だけ支払えば良いので、確かに駆除費用の節約にはなるでしょう。
問題なのは「作業の品質」です。
一般的に、シロアリ被害が一定以上に拡大している場合、業者などシロアリ駆除に詳しい人は自力(素人による作業)でのシロアリ駆除をおすすめしていません。
その理由は「駆除に失敗する可能性が高い」ことです。
- ・シロアリの巣は「土の中」や「木材の中」の奥深くまで拡大している
- ・シロアリは警戒心が強く、下手な作業はシロアリを逃がしてしまう
- ・素人はシロアリの巣を特定するだけでも難しい
- ・シロアリの巣は「床下」など、作業しにくい場所に多い
- ・シロアリの数は多いものだと1つのコロニーで100万匹
- ・「女王アリ」の繁殖力は大きく、女王アリを駆除できないと繁殖して被害を繰り返す
軒下や木の枝にぶら下がっていることの多い「蜂の巣」と異なり、シロアリの巣は作業しにくい場所の奥深くにまで進んでいることが多く、完全な駆除のためには巣穴の奥まで駆除剤を浸透させる必要があります。
土中や木材の中の奥深くまで駆除剤を浸透させるためには、専用の機材を必要とするケースも多く、資格は不要ですがテクニックは必要です。
手間と材料費だけかけて、シロアリ被害を根絶できなければ、それこそ「安かろう、悪かろう」な結果に終わるわけです。
シロアリ駆除費用を安く抑える方法は?
しかしながら、少しでも駆除費用を抑えてシロアリの被害を食い止めたいという思いは誰もが抱くものです。
自力での駆除を考慮しない場合でも、シロアリ駆除にかかる費用を抑える方法は存在します。
- ・シロアリに気づいたら早めに駆除する
- ・複数社で見積もりしてもらい、業者を選定する
- ・悪質業者にはひっかからない
- ・確定申告で「雑損控除」を利用する
シロアリに気づいたら早めに駆除する
前述のとおり、シロアリ駆除費用は「シロアリの被害が大きいほど高くなる傾向にある」という特徴があります。
言い換えれば、シロアリの被害が小さい状態であれば、駆除費用を抑えられる可能性があるということです。
以下のポイントのようにシロアリの存在に気が付いたら、早めに業者に依頼し、被害が小さいうちに駆除してもらいましょう。
- ・蟻道がある
- ・柱や壁を叩くと空洞音がする
- ・前回のシロアリ防除から5年以上経過している
- ・雨漏りしていた
- ・家の近くにシロアリが食べる「木材」や「段ボール」を置いている
- ・シロアリが建物内から飛び出した
複数社で見積もりしてもらい、業者を選定する
シロアリ駆除の費用を抑えるためには「複数社から見積もりを取る」ことが重要なポイントの1つです。
シロアリ駆除業者は業者ごとに価格設定が異なり、同じ作業内容であっても業者によってかかる費用は異なります。
また、表示価格が安くても、実際に見積もりをしてもらったら意外と高くなったということもあります。
そのため、複数の業者を選出して見積もりを依頼し、提示された価格の中から「適性かつ安い業者」を選定することが有効なのです。
仮に、複数社の見積もりの中で異常に安い、または高い価格を提示してきた業者があれば、その時点で選定から除外しましょう。
悪質業者にはひっかからない
前述のとおり、悪質業者に依頼すれば損しかしません。
仮に安い価格設定を提示してきたとしても、後になって追加料金を請求されてしまえば大問題です。
「クーリングオフ」にも限界がありますので、一番重要なことは「悪質業者に引っかからないこと」なのです。
確定申告で「雑損控除」を利用する
業者選びの他には「確定申告の雑損控除を申請する」ことも、費用負担を抑えるうえで重要なポイントの1つです。
「雑損控除」とは、所得税における控除項目の1つであり、災害や盗難、横領などの被害によって、保有する資産に損害を受けた場合などに申請することができます。
「シロアリ被害」もこれに含まれており、以下の条件で所得税の控除を受けられます。
- ・シロアリ被害の対象となる資産の保有者が「納税者」または「納税者と生計をともにする配偶者または親族で、年間の総所得金額等が38万円以下である者」である
- ・シロアリ被害を受けた資産が「生活に必要な住宅や家具、衣類など」であり「事業用資産」「1個の価値が30万円を越える骨とう品等」のように日常生活に必要ではないものではない
- ・シロアリの「駆除」であり、「予防」ではない
控除される金額は以下の計算式のうち多い方の金額になります。
- ・(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
- ・(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
申請するにあたってはシロアリ駆除の領収書などが必要になりますので、きちんと保管しておきましょう。
まとめ
業者によってシロアリ駆除の価格設定は大きく異なり、依頼する側の条件もまた実際の費用に大きく影響することがわかります。
価格の安さだけで業者を選定すれば悪質業者にひっかかってしまうリスクが高まりますので、価格相場を調べたり、複数社の見積もりで比較するなどして真っ当な業者を見極めてください。
自力での駆除は本末転倒な結果に終わる可能性が高いので、少しでも費用を抑えて駆除してもらうための努力を惜しまない方向で工夫するようにしてください。