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シロアリ駆除は自分で可能?業者に依頼せずにシロアリを駆除する方法
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.11.18
「家にシロアリがいるけれど、業者に頼むとお金がかかる…」
「自分で駆除すれば費用を抑えられるのではないだろうか?」
シロアリ駆除を業者に依頼する場合、どうしても相応の費用がかかってしまいます。
もし、自分(自力)でシロアリを駆除することができれば、人件費の分だけ費用を節約できると考えるのは自然なことです。
この記事では、業者に依頼せず、自力でシロアリを駆除する方法について解説します。
シロアリ駆除に必要な道具
シロアリ駆除のためには、床下などに侵入するための装備と、シロアリを駆除するための薬剤、その他さまざまな道具が必要になる可能性があります。
- ・ヘッドライト
- ・ゴーグル
- ・マスク
- ・防護服
- ・軍手またはゴム手袋
- ・シロアリ駆除用の薬剤
- ・その他、作業に必要な道具
ヘッドライト
シロアリ駆除のための作業は、床下などの暗くて狭い場所が中心となりますので、ヘッドライトで明かりを用意して視界を確保することが重要です。
懐中電灯では明かりを確保できる代わりに片手が使えなくなり作業性が悪くなってしまうので、両手を使えるようにしたまま明かりを確保できるヘッドライトが必要になります。
ゴーグル
シロアリ駆除を行う場所では目を保護することが重要なので、ゴーグルを着用する必要があります。
床下ではほこりなどが舞い、ささくれなど鋭い物体が目に入ると最悪の場合は失明に陥ってしまうリスクもあるので、ゴーグルで目を保護することが重要なのです。
マスク
シロアリ駆除をする際には、マスク、できれば防毒防塵が可能な作業用マスクを用意しましょう。
床下ではほこりが舞いますし、薬剤を使用する際に吸引してしまう可能性がありますので、マスクをしてそれら有害な物質を吸い込んでしまわないように工夫する必要があります。
風邪などの時に着用するマスクよりも、防塵防毒が可能なマスクの方が安全性が高いです。
防護服
シロアリ駆除する際には防護服、なければ頑丈で処分しても構わないような服装を準備してください。
床下は体を傷つけるリスクが高いため、服装でしっかりと防御しておく必要があります。
可能であれば害虫駆除などで用いられる防護服を用意し、そうでなければ頑丈で全身をカバーできる、かつ最悪の場合は処分しても構わない服装を準備してください。
軍手またはゴム手袋
ケガする可能性がある作業をするわけですから、軍手やゴム手袋を着用して手を保護することも忘れてはなりません。
作業性と頑丈さを考慮しておくと良いでしょう。
シロアリ駆除用の薬剤
シロアリ駆除には、シロアリ用の薬剤を使用します。
シロアリ駆除用の薬剤には、以下の種類があります。
- ・カーバメート系
- ・ピレスロイド系
- ・ネオニコチノイド系
- ・フェニルピロール系
- ・フェニルピラゾール系
シロアリ駆除用の薬剤には、以下のステータスがあります。
- ・効果
- ・安全性
- ・魚毒性(魚類に対する安全性)
- ・ドミノ効果(伝播性)
- ・臭い
それぞれの薬剤の、ステータスを踏まえた特徴は以下のとおりです。
効果 | 安全性 | 魚毒性 | ドミノ効果 | 臭い | |
カーバメート系 | ◎ | 〇 | △ | × | 〇 |
ピレスロイド系 | 〇 | ◎ | × | × | △ |
ネオニコチノイド系 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | × |
フェニルピロール系 | 〇 | △ | × | ◎ | △ |
フェニルピラゾール系 | ◎ | △ | × | ◎ | △ |
使用場所などを考慮して、使用する薬剤の種類を選定してください。
その他、作業に必要な道具
作業する場所によっては、特殊な道具を必要とするケースもあります。
例えば床下への侵入に特殊な道具を必要とする場合もありますし、木材に薬剤を注入するための穴を開けるための道具が必要なケースもあるでしょう。
シロアリ駆除を自分で行う場合の注意点
シロアリ駆除を自分で行う場合は、効率的かつ安全に作業するためにさまざまな点に注意しておきたいです。
- ・事前に被害箇所や被害状況を確認する
- ・市販の殺虫スプレーや燻煙剤は使用しない
- ・安全を第一に考える
事前に被害箇所や被害状況を確認する
シロアリ駆除を行う際には、必ず「事前の調査」を行ってください。
事前調査では、以下の項目をチェックします。
- ・床下などへの侵入経路の確保
- ・シロアリ被害が発生している箇所
- ・シロアリ被害の程度
被害箇所によっては、特殊な道具を使用しないと作業できない場合もありますので、必要な道具を購入する前に調査しておくと二度手間を省くことができます。
市販の殺虫スプレーや燻煙剤は使用しない
シロアリ駆除に際しては、市販の「殺虫スプレー」や「燻煙剤」を使用することは控えてください。
これらの薬剤でもシロアリは死にますが、逃げられる可能性がありますので確実に仕留めるためにはシロアリ駆除用の薬剤を適切な方法で使用することを心がけてください。
安全を第一に考える
シロアリ駆除のための作業は簡単なことではなく、狭い場所での作業が中心になるので安全性を確保して、ケガのリスクを減らしましょう。
作業する際には協力者を確保して、「ケガして動けない」「狭くて出られない」などの緊急事態に対処できるようにしておくことをおすすめします。
シロアリ駆除の2種類の方法
シロアリ駆除の方法は「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類があります。
バリア工法
「バリア工法」は、シロアリが侵入する土壌や木材に薬剤を散布して、近づけなくする駆除方法です。
以下の流れで作業します。
- ①防護服などを着用して床下にもぐる
- ②シロアリが巣食っている木材にドリルで穴を開ける
- ③②で開けた穴に薬剤を注入する
- ④土壌や基礎部分にも薬剤を散布する
薬剤の効果は5年以内に切れますので、長くても5年をめどに再施工することでシロアリ被害を予防することができます。
バリア工法のメリットは以下のとおりです。
- ・予防効果が高い
- ・効果の即効性が高い
- ・ベイト工法よりも費用を抑えられる可能性がある
デメリットは以下のとおりです。
- ・薬剤の毒性や臭いが住人やペットに及ぶ可能性がある
- ・コロニーの根絶が難しい
- ・ドリルや噴霧器などの特殊な道具が必要になる
ベイト工法
「ベイト工法」は、毒エサを設置してシロアリに持ち帰らせ、コロニーごと駆除する方法です。
土に埋めるか、建材に固定するなどの方法でベイト材を設置し、シロアリが食いつくのを待ちます。
以下の流れで作業します。
- ①ベイト材などの必要な道具を揃える
- ②シロアリ被害を受けている木材にベイト材を設置する
- ③基礎部分から30㎝離れた地面に穴を開け、ベイト材を埋め込む
- ④定期的にベイト材を確認し、減っていれば補充する
- ⑤半年以上ベイト材が減っている様子がなければ設置場所を変える
メリットは以下のとおりです。
- ・シロアリの巣の根絶に適している
- ・住人やペットに悪影響が及ばない
- ・床下に入れない場合でも(家の外に)設置できる
デメリットは以下のとおりです。
- ・駆除の効果が表れるまでに時間がかかる
- ・ベイト材の設置場所を選定するのに知識が必要
- ・費用がかさむ可能性がある
自分でシロアリを駆除することはおすすめできない
シロアリ駆除は自分でおこなうことはおすすめできず、できる限り害虫駆除業者に依頼して駆除してもらうことをおすすめします。
自力でのシロアリ駆除は失敗のリスクが高く、被害が拡大する可能性が高い点が大きなデメリットとなるのです。
シロアリ駆除は自分で行うべきではない?
シロアリ駆除は、素人にはおすすめできない行為です。
シロアリ駆除は特別な資格は不要ですし、必要な道具はホームセンター等で揃えることが難しくありません。
それでも、シロアリ駆除をDIY感覚で行うことは、あまりおすすめできないのです。
シロアリ駆除を自分で行う場合のデメリット
シロアリ駆除を自分で行う場合の最大のデメリットは「完全に駆除できない可能性が高い」ことです。
シロアリ駆除を自分で行う場合、以下のデメリットがあります。
- ・完全駆除が難しい
- ・作業に手間がかかる
- ・作業中にケガをする可能性がある
- ・道具を揃える必要がある
- ・建物に悪影響が及ぶ可能性がある
- ・薬剤の種類や使い方によっては住人やペットに悪影響が及ぶ可能性がある
・完全駆除が難しい
シロアリは巣の中に数万匹以上の規模が生息しているケースも多く、完全に駆除することは素人には難しいことなのです。
シロアリは女王アリが毎日のように産卵してその個体数を日々増やし続けており、コロニーの中には100万匹の規模を持つ場合もあります。
そんなシロアリを完全に駆除することは難しく、大部分を駆除できたとしても残ったシロアリが繁殖し、シロアリ被害は続いてしまうのです。
駆除しきれなかったシロアリが逃げ出したことによって周辺の建物にも被害が拡大する可能性もあります。
・作業に手間がかかる
すでに説明している通り、シロアリ駆除のための作業は手間がかかります。
殺虫剤で1匹の害虫を駆除するのと同じような感覚で行えるような作業ではなく、休日を完全に潰してしまうような大掛かりな作業を必要とするケースが多いです。
さらに、ホームセンター等で必要な道具を揃えるのにも手間と費用がかかりますので、かかる手間は相応に大きくなります。
・作業中にケガをする可能性がある
シロアリ駆除の作業中にケガをしてしまう可能性が高いです。
シロアリ駆除のための作業は基本的に「床下」のように狭く侵入するのが難しいような空間が中心となります。
狭い空間で作業しなければならないため、体の各所をケガしてしまうリスクが高くなるのです。
・道具を揃える必要がある
シロアリ駆除のためには、さまざまな道具を揃えなければなりません。
シロアリ駆除に必要な道具を、もう一度おさらいしておきましょう。
- ・ヘッドライト
- ・ゴーグル
- ・マスク
- ・防護服
- ・軍手またはゴム手袋
- ・シロアリ駆除用の薬剤
- ・その他、作業に必要な道具
これらの道具を買いそろえるためには、数万円の出費が必要になります。
他の行動に流用できる道具もあれば、そうでないものもあります。
基本的にあまり普段から使うようなものではないものが多いため、シロアリ駆除のためだけに使うような道具を買うことは合理的とはいえません。
・建物に悪影響が及ぶ可能性がある
シロアリ駆除のための作業では、建物の基礎・重要な部分に侵入して作業する関係上、どうしても建物を傷つけてしまう可能性があります。
例えば薬剤を注入するために穴を開ける際、必要以上に穴を開けてしまい、建物の耐久性に影響が及ぶ可能性も捨てきれません。
その他、作業内容によっては建物の基礎部分にダメージを与えてしまう可能性があり、せっかくシロアリを駆除できても本末転倒な結果になってしまう可能性があるのです。
・薬剤の種類や使い方によっては住人やペットに悪影響が及ぶ可能性がある
シロアリ駆除に使用する薬剤には、人やペットに悪影響を及ぼす可能性があるものが含まれています。
効果 | 安全性 | 魚毒性 | ドミノ効果 | 臭い | |
カーバメート系 | ◎ | 〇 | △ | × | 〇 |
ピレスロイド系 | 〇 | ◎ | × | × | △ |
ネオニコチノイド系 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | × |
フェニルピロール系 | 〇 | △ | × | ◎ | △ |
フェニルピラゾール系 | ◎ | △ | × | ◎ | △ |
「安全性」や「魚毒性」に難のある薬剤を使用する場合、住人やペットに何らかの影響が及ぶ可能性が捨てきれません。
しかも、それを薬剤に詳しくない素人が使用するわけですから、仮に悪影響の無い薬剤や使用量を守れていても不安を抱えることになりかねないのです。
自力で行えるシロアリ対策とは?
シロアリ駆除は専門家である業者に任せるとしても、自分で行えるシロアリ対策として「予防」と「点検」が挙げられます。
しっかりとシロアリ予防と点検を実施することができれば、最低限の費用負担でシロアリ被害を防ぐことができます。
シロアリ対策の3つの種類
一般的なシロアリ対策は、以下の3つで構成されます。
- ・シロアリ駆除:巣食っているシロアリを殺す
- ・シロアリ予防:シロアリの侵入を防ぐ
- ・シロアリ点検:シロアリが侵入していないかどうか確認する
まず、建物内に巣食っているシロアリを殺し、建物内からシロアリがいない状態にします。
次に、土壌や木部に薬剤を使用して、シロアリが建物内に侵入することを防ぎます。
その後は定期的に建物の重要部分をチェックして、シロアリが侵入していないことを確認します。
この中で最も重要なのは「駆除」の部分であり、完全駆除できていなければ予防も点検も意味を成しません。
なので、業者に依頼してしっかりと駆除してもらう必要があるのです。
「予防」と「点検」もシロアリ対策として重要なアクションではありますが、完全駆除ほど難易度は高くないので、素人でも十分に可能であるといえます。
シロアリ予防の方法
シロアリ予防は以下の2種類の方法で対処できます。
- ・土壌への薬剤の使用
- ・木部への薬剤の使用
シロアリの多くは土の中から建物内に侵入しようとしますので、シロアリが出てくる部分の土に薬剤を使用することで発生を防ぐことができます。
その上で、シロアリが食害する木部にも薬剤を使用することで、仮に土から出て来れたとしても木部を食害することができなくなってしまうのです。
また、庭などの自宅近辺にシロアリのエサとなる物品が放置されている場合は、片づけることをおすすめします。
- ・木の廃材
- ・段ボール
- ・新聞紙
- ・古本
- ・木製のグッズ
「枕木」のようにインテリアとして庭に置いておきたいものがある場合は、木部処理用の薬剤を定期的に使用することでシロアリ被害を防ぐことができます。
シロアリ点検の方法
シロアリ点検は、シロアリが侵入した形跡を探すことが重要です。
シロアリの侵入を示すサインとしては、以下のポイントをチェックしてください。
- ・シロアリの通り道「蟻道」を探す
- ・木材の見た目が不自然
- ・木材を軽く叩いただけで破損する
- ・床がきしむようになった
- ・柱や壁を叩くと空洞音が発生する
シロアリの侵入を疑うような状況であれば、業者に調査を依頼することをおすすめします。
まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- ・シロアリ駆除にはさまざまな道具が必要
- ・事前の調査は欠かせない
- ・「バリア工法」は予防効果が高い
- ・「ベイト工法」は巣の根絶に役立つ
- ・自分で行うシロアリ駆除には失敗などのデメリットがある
- ・「予防」や「点検」であれば素人でも十分に可能
予防や点検については自分で行うことも十分可能でしょうが、駆除は素人には完全駆除が難しいという点においておすすめできません。
費用を抑えたいのであれば、業者をきちんと選定することである程度は抑えることが可能です。
もし、自力で駆除しようとして失敗すれば、薬剤の購入費用や作業の手間が無駄になってしまいます。
その結果、シロアリ被害が拡大して建物の修繕費用がかさんでしまえば、元も子もない結果に終わってしまうのです。
シロアリを駆除するのは、完全駆除が可能な業者に依頼することをおすすめします。