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シロアリ駆除方法一覧!ベイト工法とバリア工法の違いを徹底解説。
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.05.24
みなさんは、シロアリ駆除に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
従来のシロアリ駆除は薬剤散布が一般的で、発生源となる床下などにシロアリを死滅させる薬剤を散布し、駆除しておりました。
しかし、時代と共に駆除方法についても見直され、ペットや妊婦さん、人体に影響の少ない薬剤の導入や薬剤散布とは別の工法である「ベイト工法」と呼ばれる駆除方法も確立され、より状況に合わせた駆除が可能となりました。
ここでは、シロアリ駆除に長年の実績のある弊社がシロアリ駆除におけるベイト工法とバリア工法の違いや、その特徴について一覧表にてご紹介します。
「シロアリ駆除の薬剤が心配」
「どんな駆除方法を用いるのか不安だ」
という方も、ぜひ参考にしてください。
目次
シロアリ駆除の工法による駆除効果の違いについて
以前からシロアリ駆除の主流であった「バリア工法」という駆除方法は、シロアリの発生箇所にシロアリに効果的な強い毒性を持つ薬剤を散布して、駆除を行っていました。
しかし、バリア工法についても時代と共に変化し、毒性の強い薬剤が人やペット、魚類に害を及ぼすことから、毒性を弱めて昆虫のみに作用する薬剤や、ドミノ効果といって即効性がないがシロアリの巣まで薬剤を運ばせ、ほかのシロアリも徐々に死滅させる方法もあります。
このように現在では、シロアリ駆除と言っても様々な工法があり、駆除効果も違います。
どれを選択するかは、シロアリ被害の状況や、環境、発生場所などによって依頼者と相談のもと選択されるのが一般的です。
また、シロアリ被害から木造建築を守るために国土交通大臣の許可を得て設立された「公益社団法人 日本しろあり対策協会」が認定している「防除薬剤」を使用することが安全性に深く寄与しています。
シロアリ駆除の工法別のメリット・デメリット
ここでは、シロアリ駆除の工法別のメリットとデメリットについてご紹介します。シロアリ駆除では、「バリア工法」と「ベイト工法」が主流となっておりますので、それぞれの違いをぜひ参考にしてください。
バリア工法のメリット・デメリット
シロアリが発生している箇所に毒性のある薬剤を散布し、シロアリの死滅を図りつつ、シロアリの再発予防を同時に行える「ケミカル工法」です。
バリア工法は、以前から一般的に使用されていた工法で、現在でも最も普及されています。
薬剤の種類に関しては、ペットや人、魚類への毒性が弱く安全性に優れた薬剤から毒性が強く人やペットに害があるものまで多くの種類が存在します。
使用にあたっては、どの種類の薬剤を使用すれば良いのかシロアリ業者の専門的な見解が必要です。
バリア工法で使用される主な薬剤の成分につきましては、以下の通りです。
成分 | 安全性 | 効力 | ドミノ効果 |
ネオニコチノイド系 | ◎ | ○ | ○ |
ピレスロイド系 | ○ | ○ | × |
カーバメート系 | △ | ○ | × |
フェニルピラゾール系 | × | ◎ | ○ |
フェニルピロール系 | × | ○ | × |
簡単にご説明致しますと
「ネオニコチノイド系」は、タバコのニコチンに似た成分を含んでおり、作用は昆虫のみという人やペットには安全な薬剤です。
「ピレスロイド系」の薬剤に関しても、人やペットに対しての安全性が非常に高いです。また、シロアリにも強い即効性が期待できます。
「カーバメート系」の薬剤や「フェニルピラゾール系」、「フェニルピロール系」については、シロアリには非常に効果的な反面、人やペットには強い毒性がありますので、ご使用の際には注意が必要です。
バリア工法のメリットについて
バリア工法のメリットは、古くから薬剤散布法として行われてきましたので、一番のメリットが即効性にあります。
使用する薬剤にもよりますが、毒性の強い薬剤を使用すると一度に多くのシロアリを死滅させることができます。
また人やペットに配慮して、安全性が高く、なおかつシロアリにも徐々に作用して死滅させるタイプも存在します。
様々な種類があり、状況によって使い分けられるのがメリットでしょう。
また、薬剤を使用することで土や木材にすぐに浸透し、地面であればかなり深い場所まで効果を発揮できます。
薬剤散布法は、シロアリが大量に発生していて一度に多くのシロアリの駆除が必要な場合に絶大な威力を発揮します。
また、一度薬剤を散布すると5年間は持続するため費用を最小限に抑えることができるのも魅力的です。
バリア工法のデメリットについて
バリア工法のデメリットですが、「公益社団法人 日本しろあり対策協会」の指定した薬剤など、人体やペットに害のない薬剤が多数開発されています。
ただ、それでも完全に人やペットに100%安心の薬剤はなく、健康に被害が全くないという保証はできません。
臭いに敏感な方や、化学物質に弱い方、アレルギー体質の方、ペットを飼っている方は注意が必要です。
そのほかのデメリットとしては、人の手によって薬剤を散布するため、プロといえでも撒きムラが生じれば、その場所から新たにシロアリが侵入してきます。
また、薬剤に含まれる毒性ですが、成分によっては周辺環境に影響を及ぼすため、地域により使用の制限がかけられている場合もあります。
使用時には、シロアリ駆除業者とも念入りな打ち合わせが必要です。
ベイト工法のメリット・デメリット
ベイト工法は、近年確立された駆除方法で、「維持管理シロアリ防除システム」とも呼ばれる方法です。
他の工法が建物の床下を中心に施工する方法なのに対して、こちらの方法は、建物の外周に施工します。
具体的には、シロアリが生息する場所を特定し、家屋や建物周りの適切な場所に、シロアリの好むエサが入った器を地中に設置します。
エサには毒が含まれており、これをシロアリに巣まで運ばせて巣ごと全滅を目指す方法です。
ベイト工法のメリットについて
やはり、ベイト工法の一番のメリットは、ペットやお子様がいらっしゃるなどの理由で、毒性の強い薬剤を床下に散布できない場合に、建物の外周に施工するため健康被害を生みません。
より安全にシロアリを巣ごと全滅できる方法なのです。
ベイト工法のデメリットについて
ベイト工法のデメリットについてですが、ペットや人、さらに環境に優しく植物を枯らすなどの悪影響もない工法なのですが、シロアリに対しても即効性がありません。
シロアリに毒エサを巣まで持ち帰ってもらう必要があり、徐々にその効果が発揮されるため、シロアリが一気に死滅することがないのです。
ベイト工法は、シロアリを定期的に駆除していく工法のためバリア工法よりも時間がかかり、シロアリ駆除状況を定期的に点検、管理していかなければなりません。
その関係で、バリア工法よりも費用が高額になる傾向があります。
一般的に言われているベイト工法とバリア工法の費用の違いですが、以下の通りです。
駆除方法 | 価格 |
バリア工法(薬剤散布法) | 標準価格:2,430円(税込)〜/坪 |
ベイト工法 | 標準価格:4,017円(税込)〜/坪 |
▼さらに詳しくシロアリ駆除費用についてみる
シロアリ駆除のバリア工法・ベイト工法違いまとめ!
ここまでお伝えしてきたシロアリ駆除のバリア工法とベイト工法の違いを一覧表でまとめました。
ベイト工法(毒エサ設置) | バリア工法(薬剤散布) | |
施工方法 | シロアリの居場所を特定し、建物の周囲に毒エサの入った容器を埋め込む | シロアリの被害箇所や発生場所に直接薬剤を注入する |
用いる薬剤 | 主にノバフルムロンを有効成分とした昆虫の成長を抑制する薬剤 | 主に有機リン系薬剤を使用する場合が多いようですが、最近では人やペットに配慮したものが主流。 |
環境や人への影響 | 人やペットに悪影響はありません。昆虫のみに作用 | 臭いに敏感な方や、アレルギー体質の方、ペットを飼っている方には少なからず健康被害が心配されています |
効果 | シロアリの巣を長期的に壊滅するため、時間を要する | 薬剤を直接散布するため、即効性が期待できます |
費用 | 手間や期間が長引くことから、バリア工法よりも費用がお高め | ベイト工法に比べ、薬剤を一度散布してしまえば定期的なメンテナンスが必要なく、費用も割安 |
ベイト工法とバリア工法の選び方について!
ここでは、ベイト工法とバリア工法の選び方についてご紹介します。薬剤を散布して、シロアリを一網打尽にしたいけれど施工地域の規約で毒性の強い薬剤は散布できない場合もあります。
では、どのようにベイト工法とバリア工法を選べば良いのかみていきましょう。
ベイト工法を選んだ方が良い場合
小さなお子様がいらっしゃる場合や、ペットを飼っている場合、さらに植物などの環境に配慮すべきご家庭の場合には、昆虫のみに作用する毒エサを使用するベイト工法がおすすめです。
また、地中に埋めた毒エサをペットが掘り返してしまったらと感じるかもしれませんが、毒エサは専用のケースに入っているため、直接ペットが触れてしまう心配はありません。
また、ベイト工法はホームセンターや薬局などで「ベイト剤」という商品を購入し、ご自身でシロアリ駆除ができます。
シロアリによる直接的な被害はないけれど、シロアリが発生してしまったという場合には、費用をかけずにご自身で駆除するのも良いでしょう。
ご家庭で、市販のベイト剤を用いてシロアリ駆除を行う場合には、以下の手順を参考にしてください。
<ご自身でシロアリ駆除を行う方法>
- ①シロアリの居場所を確認します。シロアリがいる付近、建物周囲の地中にベイトステーションと呼ばれる専用容器を設置します。シロアリが目視で確認できない場合には、建物周囲に埋め込みましょう。
- ②ベイトステーションを埋め込んだら、シロアリの発生状況を定期的に確認します。ステーション内部にある毒エサの減り具合を確認し、減っていたら追加して投入します。
- ③ベイト工法は、定期点検が欠かせない工法です。根気強く駆除を行いましょう。
また、たとえシロアリの気配がなくなってもベイトステーションを設置して、シロアリの監視を行いましょう。
ベイト工法は、しっかりと点検・監視して、ベイト剤のメンテナンスを行うことが重要。
ベイト工法をご自身で行う上での注意点ですが、シロアリは、たばこの成分であるニコチンの臭いが嫌いです。
このような観点から、ベイト剤を設置する際は、非喫煙者が行うようにしましょう。たばこが発生しているシロアリを引きつける上で、邪魔になる場合があります。
▼シロアリ駆除は「ベイト工法」がおすすめ理由とは
バリア工法を選んだ方が良い場合
アメリカカンザイシロアリなど強力な被害を発生させるシロアリが発生している場合や、シロアリによる被害が甚大である場合などはバリア工法による駆除が有効です。
また、ベイト工法は駆除を行えても予防には向かない傾向があります。たとえば、新築住宅のシロアリ予防を行うのなら、バリア工法がおすすめです。
バリア工法かベイト工法かを選ぶ際には、シロアリ駆除業者からの的確なアドバイスの元行いましょう。
▼シロアリ床下換気扇設置のメリット・デメリットについて
まとめ
シロアリ駆除における「ベイト工法」と「バリア工法」についてその特徴や、メリット・デメリット、さらに一覧表でその違いを比較して参りました。
本記事がシロアリ駆除における工法の理解やお役に立てれば幸いです。
シロアリ駆除は、発生状況や被害状況、さらには施工環境によって適切な駆除方法が異なります。
まずは、シロアリ駆除の専門業者に現場の様子や、シロアリに関するお悩みをご相談ください。
弊社では、シロアリ駆除における出張診断やお見積もりを無料で対応しております。また、9時〜18時にご連絡を頂ければ、即日対応も可能です。
相見積もりの際も、ぜひお気軽にご相談ください。