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家に羽アリが出たらどうするべきか?羽アリを駆除する正しい方法3選
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.12.25
「家に羽アリがいるけれど、どうやって駆除したらいいかわからない…」
「そもそも羽アリって駆除が必要なの?」
羽アリの存在を放置すれば、場合によっては家にシロアリが侵入し、さまざまな被害をもたらす可能性があります。
この記事では、発生した羽アリの正しい駆除の方法を3つ紹介します。
- ・羽アリを駆除する方法(おすすめの方法3つと、おすすめできない方法2つ)
- ・羽アリの種類を特定するポイント
- ・羽アリに関する豆知識
- ・シロアリを駆除しなければならない場合には?
間違った方法ではデメリットがありますので、この記事を読んで正しい羽アリ対策の方法を理解してください。
羽アリを駆除する方法
羽アリを駆除する方法として「殺虫剤」はデメリットがあり、手軽に駆除する方法としては「掃除機で吸う」のがおすすめです。
- ・正しい方法①「掃除機で吸う」
- ・正しい方法②「ビニール袋で捕獲する」
- ・正しい方法③「粘着テープを使用する」
- ・間違った方法①「殺虫剤をふきかける」
- ・間違った方法②「虫叩きなどで追い払う」
正しい方法①「掃除機で吸う」
羽アリを駆除する最もおすすめの方法は「掃除機で吸う」という方法です。
理由は以下のとおりです。
- ・大量の羽アリにも対応できる
- ・後始末が不要
- ・手軽な方法である
掃除機は、吸引する際の圧力で羽アリが死ぬ可能性も高いですが、気になる場合は吸い込んだ後にノズルに殺虫剤(引火性ではないもの)を噴射しておくと良いでしょう。
注意点としては「サイクロン式の掃除機はおすすめできない」ことです。
理由は、サイクロン式の掃除機だと内部で羽アリの体がバラバラになってしまうので、後始末が大変になることや、見た目の不快感が気になってしまいます。
ご自宅にサイクロン式の掃除機しかないのであれば、後述する別の方法を実践することをおすすめします。
正しい方法②「ビニール袋で捕獲する」
2つ目の方法は「ビニール袋を使って羽アリを捕獲する」という方法です。
この方法は、掃除機を使って羽アリを吸い込むことができない場合におすすめの方法の1つです。
羽アリの発生場所にビニール袋をかぶせて、中に羽アリが溜まるようにします。
ある程度捕獲することに成功したら袋の口を結んで処分し、新しいビニール袋をかぶせて捕獲を再開してください。
掃除機を使う場合と比較すると羽アリに逃げられてしまう可能性もありますが、ビニール袋を使った方法はさまざまなメリットがあります。
- ・掃除機の音が気になる夜間でも利用できる
- ・掃除機の電源を確保できない場所でも捕獲できる
- ・透明なビニール袋であれば羽アリを観察しやすい
正しい方法③「粘着テープを使用する」
3つめの方法は「粘着シートなどを使って羽アリを捕獲する」という方法です。
文字通り、粘着テープの粘着力を利用して羽アリを捕獲する方法であり、ビニール袋を使用する場合と同じメリットが期待できます。
ガムテープを使うのも良いですし、粘着式のローラーを使うという方法もあります。
特に、高所に羽アリが殺到している状況であれば、持ち手が長めのローラーを使えば安全かつ羽アリに近づかずに駆除することが可能です。
また、粘着テープは家の中に羽アリを侵入させないための道具としても活用できます。
ビニール袋と同じく、掃除機よりは多くのご家庭で常備しているはずなので、利用の難易度が低い点もメリットとなります。
間違った方法①「殺虫剤をふきかける」
羽アリを駆除する方法として間違っている(あまりおすすめできない)方法の1つ目は「殺虫剤をふきかけて羽アリを殺す」という方法です。
確かに羽アリも殺虫剤で殺すことは可能なのですが、殺虫剤を使用することにはさまざまなデメリットがあります。
- ・羽アリに逃げられてしまうリスクがある
- ・死骸の処理が必要
- ・壁などに羽アリがこびりついてしまう
- ・引火性の場合、使用できる場所が限定されてしまう
- ・換気が必要
しかしながら、羽アリに効果がある殺虫剤を選択すれば、羽アリに近づくことなく駆除できるという点はメリットとなります。
室内に侵入している場合であれば、室内を閉め切って燻煙タイプの殺虫剤を使用すれば高い確率で羽アリを全滅させることができます。
間違った方法②「虫叩きなどで追い払う」
間違った方法の2つ目は「虫叩きなどを使用して叩いて追い払う」ことです。
羽アリは小さく、市販の虫叩きでは外れてしまう可能性が高くなります。
「追い払うことができれば十分」と思われている人も多いでしょうが、羽アリに逃げられてしまうと別の場所から建物内に侵入するリスクを残す結果になります。
さらに、この方法で羽アリを駆除してしまうとまともな形で羽アリを観察することが難しくなるので、羽アリの種類を特定することが難しくなってしまいます。
羽アリの数が少なく、高所などではなく確実に仕留める自信があるのであれば、虫叩きで駆除することも現実味はありますが、できれば別の方法を利用されることをおすすめします。
羽アリの種類を特定するポイント
羽アリには「シロアリ」と「黒アリ」がいますが、両者は生物学上全く異なる生き物です。
シロアリ | 黒アリ | |
分類 | 昆虫網 ゴキブリ目 シロアリ科 |
昆虫網 ハチ目 アリ科 |
主食 | 枯死した植物 | 基本は肉食 |
成長過程 | 不完全変態 | 完全変態 |
シロアリと黒アリの見分け方
シロアリと黒アリは、捕獲してじっくりと観察することができれば、以下の違いがあることがわかります。
シロアリ | 黒アリ | |
羽の形 | 4枚とも同じ | 前後で差がある |
羽のとれやすさ | とれやすい | とれにくい |
触角の形 | 数珠状 | 「く」の字に曲がっている |
腰のくびれ | ない | ある |
羽の形の違い
シロアリと黒アリは、羽アリの「羽の形」に特徴があります。
特によくわかるのが「4枚の羽の、前後の大きさが同じか、異なるか」です。
シロアリの羽アリは、前後で羽の大きさに違いはないのですが、黒アリの羽アリは頭部に近い方の羽の方が大きくなっています。
羽のとれやすさの違い
シロアリと黒アリの羽アリの羽には、大きさの違い以外にも「とれやすさ」に違いがあります。
一般的に、シロアリの羽アリの方が羽がとれやすく、比較的簡単に羽がとれてしまいます。
一方で黒アリの羽アリの羽はそう簡単にはとれないようになっています。
触角の形の違い
シロアリと黒アリは、両者とも「触角」を有していますが、その形には大きな違いがあります。
シロアリの触角は「数珠状」になっているのに対して、黒アリの触角は「くの字」に曲がった見た目をしています。
羽ほど大きくないのでじっくりと観察しないと見た目の違いに気が付けないかもしれません。
腰のくびれの有無
シロアリと黒アリは、見た目の違いとして「腰のくびれの有無」が判断材料になります。
ゴキブリの仲間であるシロアリは腰にくびれがなく、寸胴な体型をしています。
一方で黒アリはハチの仲間であり、スズメバチやアシナガバチのように腰に明確なくびれが存在します。
羽アリに関する豆知識
羽アリには、種類によって違いがありますが、さまざまな特徴を有しています。
- ・羽アリが発生する理由
- ・羽アリが発生する時期
- ・羽アリの飛行距離
- ・羽アリの数
- ・羽アリの天敵
- ・羽アリの走光性
- ・羽アリが営巣できる確率
羽アリが発生する理由
羽アリの発生理由は、主に以下の条件です。
- ・巣の中の個体数が多くなり過ぎた
- ・巣に危険が及んでいる
- ・その他、巣の維持が難しくなる理由が発生した
基本的に「数を調整して、巣を維持できるようにするため」に羽アリが発生します。
つまり、羽アリが発生したということは、近隣に規模の大きなアリの巣があるということでもあります。
羽アリが発生する時期
羽アリが発生する時期は、アリの種類によりまちまちですが基本的に春~秋にかけて発生します。
ある程度は群飛する時期が決まっているので、羽アリの種類を特定するのに役立ちます。
- ・ヤマトシロアリ:4~5月
- ・イエシロアリ:6~7月
- ・アメリカカンザイシロアリ:6~9月
上記3種類はシロアリであるため、特にこの時期の羽アリには十分に注意したいところです。
羽アリの飛行距離
羽アリの飛行距離は、種類や天候などにも影響されますが基本的に「100m」程度であるとされています。
あまり遠くまで飛べないため、羽アリを見つけたらそこから半径100m圏内に巣立った元のアリの巣があるということです。
ただし、アリの種類によっては1㎞ほど飛行できる種類もいるため、一概には「近場にアリの巣がある」とは言い切れませんが、いずれにしても人間にとって距離があると言える程度の距離は飛行できないことがわかります。
羽アリの数
羽アリは、巣の規模やアリの種類にもよりますが、1回の群飛で数千~数万匹という数の羽アリが発生する可能性があります。
特にコロニーの規模が大きなイエシロアリは100万匹という数が1つのコロニーを形成しており、そこから巣立つわけですからかなりの数の羽アリが発生することがわかります。
なお、群飛する羽アリは数日かけて巣穴から巣立っていきます。
羽アリの天敵
体が小さく弱い生き物である羽アリには、自然界に多くの「天敵」がいます。
例えば「クモ」はアリを捕食する生物として有名であり、クモの巣を形成する種類のクモであれば飛んでいる羽アリを捕獲して捕食することも可能です。
天敵は数多く存在しますが、羽アリの天敵として意外と知られていないのは「黒アリ」です。
厳密にはシロアリにとっての天敵が黒アリであり、肉食である黒アリにとってシロアリは貴重なタンパク源として捕食対象となります。
一方でシロアリはセルロース(木材の繊維質)が主食であり、肉食ではないため、黒アリを捕食することはありません。
羽アリの走光性
羽アリには「走光性」という性質があります。
これは光に対して移動するという性質であり、夕方から夜にかけて窓や網戸に羽アリや羽虫がびっしりとくっつくのは、家の明かりに誘われて移動してきたことが原因です。
この特徴を把握しておくと、羽アリの駆除や対策に役立てることができます。
- ・光を利用して羽アリを誘導し、一網打尽にする
- ・遮光カーテンなどを利用して家の明かりがもれないようにし、羽アリを近づけない
羽アリが営巣できる確率
羽アリは住んでいた巣から巣立って新しい巣を作るために飛び立つわけですが、そのすべてが新しい巣を作り出せるというわけではありません。
前述のとおりアリには天敵が多く、捕食されるなどして多くの羽アリは営巣することなく死んでしまいます。
羽アリが新しい巣を作れる確率は0.01%以下ともいわれています。
シロアリを駆除しなければならない場合には?
羽アリの中でもシロアリは建物に被害をもたらすため、被害が小さいうちに駆除しておきたいところです。
羽アリが自宅から発生している場合は要注意!
もし、羽アリが「自宅内または自宅の近くから発生している」という状況の場合は、すでに建物がシロアリ被害にさらされている可能性が高いです。
前述のとおり、羽アリの発生原因は「個体数が多くなり巣を維持するために数を減らす」という目的で発生しますが、シロアリの羽アリが自宅内や近隣から発生しているということは「すでに数多くのシロアリが巣食っている=被害をもたらしている」ということになります。
- ・自宅内や近隣でシロアリの羽アリを目撃した
- ・目撃数が多い(最低でも数十~数百単位)
巣立つ必要があるほどにコロニーが成熟しているということは、すでに建物にはシロアリ被害が相当に進行している可能性が高いのです。
駆除を失敗すれば被害は深刻化する
シロアリの駆除に失敗すれば、シロアリ被害はさらに深刻化し、周辺の住宅にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- ・シロアリは警戒心が強い
- ・下手な駆除はシロアリを刺激し、逃走させてしまう
- ・建物の別の個所にシロアリが巣食う可能性がある
- ・近隣の建物にシロアリが移動し、被害を拡大させる可能性がある
シロアリの生態や習性に詳しい人でないと、シロアリ駆除は難しく、表面だけ駆除できたような状況になり、多くのシロアリが別の場所に移動してそこを食害してしまう可能性を残すことになるのです。
シロアリ駆除はプロに任せる
シロアリの駆除が必要であれば、自力で駆除するよりは「プロである害虫駆除業者に依頼する」という選択肢が最も有効な手段であるといえます。
- ・完全駆除が可能である
- ・作業に手間がかからない
- ・作業中にケガをする可能性がない
- ・道具を揃える必要がない
- ・建物に悪影響が及ぶ可能性が少ない
- ・住人やペットに悪影響が及ぶ可能性がある薬剤を使用しない
羽アリを捕獲しておくと便利
駆除を業者に依頼する際には、可能であれば「羽アリを捕獲しておく」ことをおすすめします。
羽アリを捕獲しておけば、巣食っている可能性があるアリの種類を特定することが容易になりますので、調査の手間が少し省けますし、駆除しない場合のリスクなどについても把握しやすくなります。
羽アリを捕獲しているのであれば、業者が調査に来た時点で見せておきましょう。
まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- ・羽アリを駆除するには掃除機やビニール袋を使用する
- ・殺虫剤や虫叩きは限定的な状況でないとおすすめできない
- ・シロアリは触角が数珠状で、腰にくびれがない
- ・黒アリは触角が「くの字」に曲がっており、腰にくびれがある
- ・シロアリの天敵は黒アリ
- ・シロアリ駆除はプロに依頼するのがベスト
羽アリがいるからと速やかに行動しなければ取り返しのつかないことになるということはありませんが、やはり適切な方法で駆除し、対処しておくことをおすすめします。
もし、自宅から羽アリが、それも「シロアリの羽アリ」が発生しているとすれば、既にシロアリ被害が大きくなっている可能性が疑われます。
自力での駆除は失敗のリスクが気になりますので、業者に連絡して調査してもらい、必要に応じて駆除してもらってください。