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【動画あり】シロアリの見た目の特徴と黒アリとの見分け方
- シロアリ駆除の豆知識
- 2020.01.30
「家にアリがいるけど、普通のアリかシロアリか区別できない…」
「画像を見なくてもわかるように特徴を把握しておきたい」
インターネットが普及し、スマホでネット検索ができる時代になった今、生き物の種類を特定する方法として「画像検索」という方法がありますが、いつでも瞬時にネット閲覧できるとは限りません。
シロアリにも見た目の特徴があるため、事前にシロアリの特徴を知っておけば、いざシロアリを目の前にしたときにネット検索するまでもなくシロアリかどうか判断できるでしょう。
この記事では、長年シロアリ駆除に携わってきた経験から、シロアリがどんな見た目をしているのかわかりやすく解説したいと思います。
シロアリの基本的な見た目の特徴
シロアリの基本的な外見的特徴を把握しておけば、シロアリかどうかを瞬時に判断することができるかもしれません。
身体の色 | 白やベージュ、薄茶色など |
体長 | ヤマトシロアリ:3.5~6.0㎜ イエシロアリ:7.5~9.5㎜ アメリカカンザイシロアリ:8.0~11.0㎜ |
触角の形 | 数珠のような形 |
身体のくびれ | ほとんどない |
さて、とても小さいシロアリの存在を見ると「こんな小さな生き物が脅威になるのか?」と思われるかもしれませんが、シロアリの恐ろしいところは体長だけでは判断できません。
怖いのは「集団の個体数」です。
- ・1つのコロニーにいるヤマトシロアリの個体数:2~3万匹
- ・1つのコロニーにいるイエシロアリの個体数:数十万~100万匹
- ・1つのコロニーにいるアメリカカンザイシロアリの個体数:数百~数千匹
これだけの集団で家を食べるわけですから、1匹1匹は数ミリという小さな体でも被害が大きくなるケースも珍しくないのです。
シロアリと黒アリの見分け方
シロアリとの区別で特に重要になるのが「黒アリ(一般的なアリ)」との区別です。
項目 | シロアリ | 黒アリ |
身体の色 | 白やベージュ、薄茶色など | 黒が多いが黄色や赤い種類もいる |
体長 | ヤマトシロアリ:3.5~6.0㎜ イエシロアリ:7.5~9.5㎜ アメリカカンザイシロアリ:8.0~11.0㎜ |
クロオオアリ:7.0~12.0㎜ ヒメアリ:1.5~2.0㎜ トビイロケアリ:2.5~3.5㎜ アミメアリ:2.5~3.5㎜ |
触角の形 | 数珠のような形、まっすぐ | 「く」の字に曲がっている |
身体のくびれ | ほとんどない | ある |
体長は種類によって異なりますが、多くの種類は10㎜未満、一部の大型の種類は10㎜を超える隊長を持つこともあります。
外見でわかりやすい違いは「色」と「触角の形」それと「身体のくびれ」でしょう。
黒くても実はシロアリという可能性も!?
シロアリは前述の通り、名前にもありように「白っぽい見た目」をしていますので、もし目の前のアリが黒ければ黒アリだと思うでしょう。
ですが、実はシロアリの中にも黒っぽい見た目をしている種類がいるので注意が必要です。
シロアリの羽アリと落翅虫は黒い
前述の通り、シロアリは名前にある通り基本的に白っぽい見た目をしていますが、実は例外があります。
それは「羽アリ」および「落翅虫(らくしちゅう)」です。
シロアリの羽アリと、羽アリが羽を落とした「落翅虫」は、体の色が濃くなり、種類によってまちまちですが黒系統または茶色系統の色に変化します。
羽アリの羽の違い
色による鑑別は難しくなりましたが、基本的な身体の形は変わらないため、触角や体のくびれではシロアリと黒アリを区別することは可能です。
その他にも、羽アリの場合は「羽」に2つの特徴があります。
シロアリ | 黒アリ | |
羽の形 | 前後で同じ大きさ | 前方の羽の方が大きい |
羽のとれやすさ | とれやすい | とれにくい |
また、黒アリの羽アリの羽のほうが若干ですが先端が尖っている傾向にあり、シロアリの羽アリの羽は先端が丸みを帯びている傾向にあります。
シロアリの落翅虫
「落翅虫」とは、巣立ちを終えて新天地にたどり着いた羽アリが、不要な羽を落とした姿のことです。
前述の通りシロアリの羽アリは黒または茶色系統の色に体が変色しているため、羽を落とした後の落翅虫は黒アリに近い姿をしています。
翅による鑑別はすでにできなくなっているため、触角の形と体のくびれを判断材料として、黒アリとの区別をしなければなりません。
動画で見るシロアリの見た目や動き方
静止画像よりも情報量の多い媒体として「動画」があり、YouTubeにもシロアリの見た目や動き方がよくわかる動画が数多く投稿されているのでいくつか紹介したいと思います。
グロテスクな見た目の動画が多いので「閲覧注意」でお願いします!
シロアリに黒いペンの線を見せたら…衝撃の結果に!
背景が真っ白なので、薄茶色のボディが鮮明に見えています。
おもしろい習性をもっていますが、この習性はシロアリ駆除や対策には役に立ちそうにないですね…
蟻戦争Ⅲ#47 アクリル蟻の巣攻城戦!忍び込む100匹のシロアリ。編~100 termites sneaking into the ant’s nest~
シロアリと黒アリは異なる種族の生き物(シロアリはゴキブリの、黒アリはハチの仲間)であり、雑食である黒アリはシロアリを捕食対象としています。
こうして一緒に見ると全く異なる生き物であることがよくわかります。
まるで地球外生命体!? ブヨブヨと波打つ女王シロアリの姿がグロ過ぎる!!
珍しい「シロアリの女王アリ」で、普段は巣穴の奥に潜んでいます。
まるでコンテナを背負ったトラックのような見た目、このブヨブヨした部位から数多くの子シロアリを生み出します。
「イエシロアリ」の中には1つの巣に100万匹という膨大な数の個体が生息している例もあり、もしイエシロアリに家が狙われれば甚大な被害をもたらす可能性があります。
仮にシロアリの巣を見つけても殺虫剤などでは巣穴の奥にいる女王アリを駆除することは難しく、表面的に駆除できたと勘違いしても繁殖を繰り返すことで巣の規模を元に戻すことができ、被害を食い止めることはできないのです。
(視聴注意) 羽アリ&シロアリ 我が家で大量発生 救世主アリ
家の中にこれだけの規模の羽アリがいるとなると、ほぼ確実に家の中にシロアリが巣食っていると考えられます。
もし「イエシロアリ」の場合だと、1つのコロニーに最大で100万匹という数が生息している可能性があるため、野鳥に食べてもらうだけでは到底駆除しきることはできません。
しかも、羽アリが噴出しているということは、巣の規模がかなり大きくなっているということであり、しかも羽アリの行動可能範囲はそこまで広くないので周辺の住宅にも迷惑が掛かってしまいます。
早めに業者に調査及び駆除を依頼する必要があります。
まとめ
画像を見ながら目の前の虫の正体を調べることができる状況であれば良いのですが、とっさの状況でシロアリかどうかを判断するためには事前にシロアリの見た目の特徴を把握しておくのが一番です。
もし、家の中にシロアリがいるとすれば、ひょっとしたらどこからか紛れ込んだ可能性も捨てきれませんが、すでに家がシロアリに食べられている状況であることを疑わなければなりません。
多くの業者はシロアリ調査を無料で引き受けてくれますので、まずは本当にシロアリが巣食っているかどうかを調べてもらい、被害が出ているのであれば早急に駆除してもらうことをおすすめします。