
ブログ
羽アリをみつけたらどうするべき?羽アリ発見時の正しい対処方法
- シロアリ駆除の豆知識
- 2019.11.16
「窓に羽アリがいっぱい!!」
「家の中に羽アリがいる!!」
急に「羽アリ」をみつけたら、それも大量にみつけたら、誰だって困惑してしまいますよね。
そんな羽アリをみつけたら、正しい対処法を実践しないと大変なことになる可能性があるのです。
この記事では、羽アリをみつけたらどうするべきか、羽アリ発見時に行うべき正しい対処方法について解説します。
目次
まずは落ち着きましょう
羽アリを発見したときにパニックになっているのであれば、まず「落ち着く」ことが重要です。
「シロアリかもしれない=家が倒壊するかも!?」は早計
シロアリの羽アリが家の中から出てきたからといって、たちまち建物が倒壊することはありませんので安心してください。
仮にその場合だと、可能な限り早めに業者にシロアリ駆除してもらうことが必要なことは確かですが、今日明日にでもすぐに建物が倒壊するわけではありません。
あまり悲観せず、冷静な判断を心がけてください。
シロアリの恐怖に慌てるとどうなるのか?
シロアリの存在に恐怖を覚え、あせってしまうと以下のデメリットが待っています。
- ・ストレスが溜まる
- ・殺虫剤などを使用してしまい、シロアリに逃げられる
- ・悪質業者を選んでしまうリスクが高まる
羽アリの存在にあまりにもあせってしまうと、冷静な判断ができず、正しい選択ができなくなってしまうリスクが高まります。
業者を名乗る人に言われたら?
もし、訪問販売のような形式で業者が訪ねてきて「シロアリにやられています、すぐにでも作業しないと危険です!」みたいなことを言われたとしても、言われたとおりの状況ではない可能性が高いので注意してください。
シロアリ駆除ができると宣伝している業者の中には「悪質業者」も混じっており、相場よりはるかに高額な料金を請求したり、適切な施工をしないなどの問題が生じる可能性があります。
羽アリを見かけ、業者を名乗る人からも危険性を示唆されると慌ててしまうかもしれませんが、悪質業者は適当なことを言いますので鵜呑みにしないでください。
悪質業者には以下の特徴があります。
- ・訪問販売や電話勧誘してくる
- ・設定価格が異常に安い、または大幅な値引きや無料キャンペーンをアピールしてくる
- ・とにかく点検や契約を迫る
- ・見積もりや説明が不明瞭、または説明しようとしない
- ・やたらと不安を煽ってくる
- ・同業者(他の駆除業者)の悪口を言う
- ・過剰なサービスを提案してくる
- ・「日本しろあり対策協会」の登録業者ではない
一般的に、害虫駆除業者は「訪問販売」「電話勧誘」といった手法を使いませんので、これらの手法でコンタクトしてきた業者は悪質業者の可能性が高いです。
騙されないようにしましょう。
羽アリが数匹の場合
羽アリが数匹しかいない場合は、家の中にアリの巣がない可能性が高いため、その数匹を駆除すれば基本的に問題ありません。
確実に駆除するためには、掃除機を使用して吸い込んでしまうのが一番です。
殺虫剤では逃げられる可能性があり、シロアリの場合だと家の中に巣を作られるリスクを抱えることになります。
羽アリが数匹しかいない=家の中には巣がない
発生している羽アリが数匹しかいない場合、その家の中にはアリの巣がない可能性が高いです。
羽アリはアリの巣から発生しますが、もし家の中にアリの巣がある場合、数百匹という単位で羽アリが発生します。
羽アリはあまり遠くまで飛ぶことができないため、数匹しかいないということは羽アリを目撃した場所の近くにはその羽アリの出身地であるアリの巣はないということになるのです。
家の中に侵入されれば巣を作られてしまう可能性が高い
羽アリを放置すれば、その家の中に巣を作られてしまう可能性が考えられます。
そもそも羽アリは「新しい巣を作るため」に、安全な巣を離れて危険な外界に旅立っているので、その最終到達点は新しく営巣する場所ということになります。
羽アリを発見した場所があなたの家である場合、その近く、つまりあなたの家の中や家の近くに新しくアリの巣を作る可能性が高いということです。
もし、その羽アリがシロアリである場合、あなたの家が食料にされてしまう可能性を考慮しなければなりません。
- ・シロアリの主食は木材(セルロース)である
- ・シロアリは大規模の場合は数万~100万匹でコロニーを形成する
羽アリを駆除するための方法
羽アリを駆除するための最善の手段は「掃除機で吸い込んでしまう」ことであり、次いで「ポリ袋などで捕獲する」、悪い手段は「殺虫剤を吹きかける」ことです。
- ・掃除機で吸う
- ・ポリ袋をかぶせて捕まえる
- ・殺虫剤を噴射する
- ・虫叩きなどで叩く
羽アリ対策で重要なことは「確実に仕留める」ことであり、もし逃げられれば建物の別の場所から建物内に侵入し、営巣されてしまう可能性があります。
虫対策の代名詞は「殺虫剤」ですが、空を飛ぶことができる羽アリは殺虫剤の刺激に対して警戒を示し、十分な量を吹きかける前に逃げられてしまう可能性があるのです。
そのため、最善の手段は掃除機で吸い込んでしまうことであり、多くの羽アリはその際の圧力で死んでしまいます。
羽アリが数十匹~数百匹いる、または羽アリが出てくる巣穴がある場合
「羽アリが何十匹以上もいる」という場合には、その羽アリの出てきた巣が家の中や家の近くにある可能性が高くなります。
「羽アリが出てきている巣を発見した」という場合も同様で、家の中や近くに巣がある場合は駆除が必要になるケースが出てきます。
羽アリの数が多い=近くに巣がある
遠くまで飛ぶことができない羽アリが数多くいるということは、その近くにアリの巣がある可能性が高くなります。
前述のとおり、シロアリは遠くまで飛ぶことができず、飛行可能な距離はせいぜい数百メートル程度です。
そんな羽アリが何十匹、それも何百匹も同じ場所にいるということは、出てきた巣穴がその近くにある可能性が高くなるのです。
巣穴を見つけたら殺虫剤?
もし、羽アリが出てきている巣穴を確認できたとしても、殺虫剤を吹きかけることで駆除できるわけではありません。
羽アリが出てきた穴を確認したら、高い確率でその穴は「アリの巣につながっている穴」ということになります。
では、その穴から「殺虫剤」を噴射すれば、中にいるアリを全滅させることができるのかといえば、おそらく不可能でしょう。
通常、アリの巣は広い規模に、しかも複雑に入り組んだ構造をしています。
そんなアリの巣に殺虫剤を噴射したとしても、隅々までいきわたるとは考えにくいです。
アリの巣に通じる穴を発見できたこと自体は決して小さくない情報源ではあるのですが、殺虫剤やお湯などを使っても巣の中のアリをすべて駆除することはできないと考えてください。
アリの種類を確認する
羽アリが大量にいる場合、それが「シロアリ」なのか「黒アリ」なのかで危険性が大きく異なります。
アリを捕獲して観察し、どちらの種類であるかを確認しましょう。
羽アリは2種類いる
羽アリは「シロアリ」と「黒アリ」がいます。
- ・シロアリ:ゴキブリの仲間、木材を食べる害虫(自然界では益虫扱いされることも)
- ・黒アリ:ハチの仲間、シロアリなどの昆虫を捕食する益虫(一部、毒を持つ種類も)
上記のとおり「ゴキブリの仲間」と「ハチの仲間」ということで全く異なる生き物ではあるのですが、どちらも羽アリとなって巣立つという点など共通点が多いことも事実です。
「シロアリの羽アリ」と「黒アリの羽アリ」の見た目の違い
生物学上異なる生き物であるシロアリと黒アリは、羽アリとしての見た目も大きく異なります。
シロアリ | 黒アリ | |
羽の形 | 4枚とも同じ | 前後で差がある |
羽のとれやすさ | とれやすい | とれにくい |
触角の形 | 数珠状 | 「く」の字に曲がっている |
腰のくびれ | ない | ある |
これらの違いを確認すれば、羽アリの正体がシロアリなのか黒アリなのか判断することができます。
羽アリを捕獲することの意味
羽アリを捕獲することで、羽アリがシロアリか黒アリか確認することができますし、業者に調査を依頼する場合に役立つという意味もあります。
羽アリ自体を捕獲できない場合は、アリの「羽」を採取しておくことも、情報源として後に役立ちます。
シロアリが大量にいれば業者に依頼する
発生した羽アリがシロアリであり、大量に発生している場合には業者に調査・駆除を依頼することをおすすめします。
シロアリがその家を巣食っている可能性が高く、被害を食い止めるためにはできるだけ早く業者に依頼することをおすすめします。
シロアリが大量にいることの意味
家の中や近くでシロアリを大量にみつけたということは、イコール「その近くにシロアリの巣がある」ということ、要するに「その家はすでにシロアリに食べられている」ということなのです。
一般的に羽アリが発生するのは「巣の中にアリの数が増え過ぎた際の個体数の調整のため」だといわれています。
要するに巣が手狭になったので、あぶれた分が羽アリとなって巣立つというイメージだとわかりやすいでしょうか。
シロアリの羽アリが大量に発生しているということは、以下の条件が満たされているということなのです。
- ・家の中あるいは近くにシロアリの巣がある
- ・羽アリが発生するほどコロニーの規模は大きくなっている
- ・シロアリの中には食べた木材の内部をそのまま巣にする種類がいる
木材を食べて生きているシロアリの成熟したコロニーが近所に存在するということは、あなたの家がすでにシロアリによってかなり食べられてしまった後である可能性が高いのです。
シロアリの駆除は素人には難しい
シロアリを駆除することは素人には難しく、完全駆除を実現するためには業者に駆除を依頼することが最善です。
ホームセンター等では「シロアリ駆除用の薬剤」が販売されており、基本的に素人でも扱える薬剤ではあります。
しかし、素人によるシロアリ駆除作業には以下のデメリットが存在するのです。
- ・完全駆除が難しい
- ・作業に手間がかかる
- ・作業中にケガをする可能性がある
- ・道具を揃える必要がある
- ・建物に悪影響が及ぶ可能性がある
- ・薬剤の種類や使い方によっては住人やペットに悪影響が及ぶ可能性がある
シロアリ被害を食い止めるために最も重要なことは「完全に駆除してしまうこと」であり、シロアリの生態や駆除作業のコツを知らない素人が適当に作業したところで巣のシロアリを根絶することは極めて難しいことなのです。
シロアリ駆除を業者に依頼する際に気を付けたいこと
シロアリが家の中に巣を作っていると判断した場合は業者に駆除を依頼すべきですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
- ・最低でも3社以上で見積もりしてもらう
- ・料金相場を調べておく
- ・費用だけで比較しない
- ・床下への侵入経路を確保しておく
- ・家の見取り図があれば準備しておく
最低でも3社以上で見積もりしてもらう
シロアリ駆除を業者に依頼する際「見積もり」をしてもらいますが、見積もりは最低でも3社以上に依頼することをおすすめします。
業者によって料金設定は異なりますし、見積もりの際に行う調査の内容や担当者の言動などから優良な業者を選定することが重要です。
1社だけに見積もりを依頼すると「比較」ができないため、あまり優良ではない業者や悪質業者を見抜くことができなくなってしまいます。
なので、最低でも3社以上の業者に見積もりを依頼してください。
調査・見積もりだけなら無料という業者は多いので、費用面は気にする必要がありません。
料金相場を調べておく
業者に依頼するにあたっては、事前に「料金相場」を調べておきましょう。
これは、特に悪質業者を見抜くうえで重要なポイントになり、見積もりの結果が料金相場と比較してあまりにも高額または低額の場合、悪質業者である可能性が高くなります。
業者によって料金設定は異なりますが、あまりにも料金相場とかけ離れていることを見抜くためにも、事前に料金相場を調べておく必要があるのです。
費用だけで比較しない
費用の話を多くしていますが、シロアリ駆除を業者に依頼するにあたっては料金だけでなく、他のポイントについてもきちんと比較することをおすすめします。
- ・施工実績
- ・創業年数
- ・保証内容
- ・施工内容
- ・調査や見積もりの際の担当者の対応の良さ
仮に費用が安くても、実績が少なく技術力も対応力も乏しい業者に依頼しても、良い結果になるとは考えにくいです。
費用についても考慮しつつ、上記のポイントも含めて総合的に業者の良し悪しを判断し、駆除依頼する業者を選定しましょう。
床下への侵入経路を確保しておく
業者に来てもらう前に、床下への侵入経路を確保しておきましょう。
シロアリ被害の多くは床下に発生するものであり、業者が調査する場所も必然的に床下が中心となります。
一般的に床下に侵入する頻度はさほど多くないため、人によっては自宅の床下への侵入経路・侵入方法がわからないということもあるでしょう。
床下への侵入方法だけでなく、侵入経路がふさがれていないかなども含めて、業者がスムーズに作業できるように床下への侵入経路はきちんと確保してから業者を呼びましょう。
床下への入り口は以下のような場所にあることが多いです。
- ・キッチン
- ・収納スペース
- ・和室の畳の下
入り口の場所は建物によって異なりますので、事前に調べておきましょう。
家の見取り図があれば準備しておく
可能であれば「家の見取り図」を準備しておくと良いでしょう。
見取り図を見ることで、シロアリ被害がどのあたりに拡大しているかを推測し、作業をしやすくなります。
なければ構いませんが、あれば業者に見せられる状態にしておくことをおすすめします。
まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- ・まず「冷静になる」ことが重要
- ・羽アリの数が少なければ掃除機で吸って終わり
- ・羽アリの数が多い場合は要注意
- ・シロアリと黒アリは見た目にさまざまな違いがある
- ・シロアリが大量にいる場合は家の中や近くにシロアリの巣がある
- ・素人には「完全駆除」が難しく、業者に依頼するのが一番
- ・業者の選び方には注意が必要
- ・床下への侵入経路は確保しておく
羽アリをみつけたら、まずは落ち着いて冷静な判断ができるように心がけておきましょう。
そのうえで、業者を呼ぶべき状況であるかどうかを冷静に判断し、必要に応じて業者に調査・駆除を依頼してください。
黒アリの中にも駆除が必要な種類がいますので、判断が難しい場合には業者に連絡して調査してもらってください。
基本的に素人判断で決めつけることは避けて、羽アリをみつけたら業者に連絡すべき状況もあることを十分に理解しておきましょう。